北陸で家を建てるブログ

category: 家の性能

家を建てるときに考慮すべき建物の性能: 気密・断熱

建物の性能: 気密・断熱

こんにちは!このブログでは、私たち家族が北陸で家を建てる過程を記録しています。今回の記事では、家の性能に関する重要な要素である気密性と断熱性について、自分たちの経験や調査をもとにお話ししたいと思います。

1. 気密性

気密性は、外部の空気が建物内に侵入することを防ぐ性能です。C値(気密性能)は1以下であることが望ましいです。さらに、第三種換気が正しく機能するのはC値0.7程度からです。大手ハウスメーカーの場合、特に鉄骨造で気密性を確保するのは難しいことがあります。

性能が悪い場合、壁内結露などの問題が起こります。壁内結露は、結露した水分がカビの発生や家の劣化を引き起こす原因となります。気密性を向上させるためには、気密用部材を使った適切な施工が必要です。例えば、窓周りや壁と天井の接合部に気密テープを貼ったり、窓枠やドア枠にシーリング材を充填することで、隙間を埋めて気密性を向上させることができます。

2. 断熱性

断熱性は、熱の移動を抑える性能です。HEAT20という指標があり、6地域ではまずG2グレードを目指すべきです。ただし、数値だけではなく、年間の冷暖房費を見ることも重要です。充填断熱で目指せるのはUa値0.4前後までで、それ以上の性能を求める場合は付加断熱が必要となります。

どのレベルの断熱性を目指すべきかは、何年で費用回収するかのコストパフォーマンスと快適性の違いをよく考えることが大切です。高い断熱性能を達成するために多額の費用を投じるか、適切なコストで快適な住まいを実現するか、家族のライフスタイルや予算に合わせて判断しましょう。

3. パッシブデザイン

適切な窓を選ぶことで、冬に太陽光を取り込み、夏に日射を遮る「パッシブデザイン」という設計手法を活用できます。パッシブデザインを採用することで、冷暖房費の削減やエネルギー消費量の低減が期待できます。さらに、自然の風や光を取り入れることで、快適な室内環境を整えることができます。

4. 床下エアコン

床下エアコンは、床下空間を利用して空調を行うシステムで、一階の床の各所に設置されたガラリから温風が出ることで、建物全体を均一に温度調整できるメリットがあります。また、床下エアコンは床暖房効果もあるため、足元から温まる快適な暖房が実現できます。

床下エアコンに使うエアコンは、一般の家電量販店で手に入るものを吹き出し口を床下空間に向けて設置するものです。将来のエアコン交換費用などを考慮すると、専用の高価な全館空調に比べて圧倒的に合理的な暖房方法であると言えます。この方法は、住宅のエネルギー効率を向上させるだけでなく、コスト面でも優れた選択肢となります。

超高断熱な住宅であれば、エアコン一台で冷暖房を行うことも可能でしょう。

5. 我が家の計画

我が家では、Ua値0.33、C値0.1以下を実現することを目指しています。また、基礎断熱を採用し、空調は床下エアコン・小屋裏エアコンの2台で行う予定です。

建物の性能に関しては、気密性と断熱性が大変重要です。家を建てる際には、これらの性能を慎重に検討し、快適で省エネルギーな住まいを目指しましょう。それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

気密性の重要性と向上方法:構造材の劣化や健康被害を防ぐために

気密性の重要性

こんにちは!前回の記事では、家の性能に関する重要な要素である気密性と断熱性についてお話ししました。今回は、気密性についてさらに深く掘り下げていきたいと思います。

1. 気密性とは

気密性は、建物内部と外部の空気の交換を制限する性能です。高い気密性がある家は、外部からの冷たい空気や暖かい空気の侵入を防ぐことができるため、室内温度の維持が容易になります。また、高い気密性は、エネルギー効率の向上にも繋がります。

2. 気密性のデメリット

気密性が低いと、外気が容易に家の中に入り込み、冷暖房費が増えたり、結露が発生しやすくなります。特に結露は、壁内でカビが発生する原因となり、家の構造材の劣化や健康被害を引き起こすことがあります。例えば、壁内のグラスウールがカビて真っ黒になり、断熱性能を発揮しない状態になることがあります。

3. 気密が悪い状態の確認方法

気密が悪い状態を正確に測るには、気密測定を行うしかありません。自分で簡単に確認する方法として、例えばコンセントボックスやクロスの切れ目から隙間風が流れ込んでいるかを確認することができます。これにより、気密性が低い状態かどうかをある程度判断することができます。

4. 工務店選びのポイント

気密性を重視した家づくりをする際、工務店選びが重要なポイントです。これまで建てた家のC値を確認することや、気密測定を行っているかどうかを確認しましょう。これにより、工務店が気密性を重視した家づくりに力を入れているかがわかります。

5. 気密性を向上させるための施工

気密性を向上させるためには、設計段階から適切な構造や材料を選ぶことが重要です。また、施工時にも気密性を向上させるための部材や技術を用いて、建物内部と外部の隙間を埋めることが大切です。 具体的には、気密用シートや気密用テープ、シーリング材を使って、窓枠やドア枠、壁と床・天井の接合部分などの隙間を埋めることが必要です。さらに、コンセントボックスやスイッチボックス、配管部周辺の隙間を埋めることで、隙間風の侵入を防ぐことができます。

6. まとめ

気密性は、家の性能や快適さに大きく影響する要素です。高い気密性を持つ家は、室内温度の維持が容易であり、エネルギー効率の向上や健康被害の防止にも繋がります。家を建てる際には、気密性を十分に考慮し、長持ちする快適な住まいを目指しましょう。 それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

参考 https://www.njkk.co.jp/blog/?itemid=101&dispmid=764

住宅の換気システム:第一種換気と第三種換気の違いと選び方

住宅の換気システム

住宅には換気システムが必要であり、法律で義務付けられています。主に第一種換気と第三種換気が住宅で使用されることが一般的です。この記事では、それぞれの換気システムの違いと選び方について説明します。

第一種換気

第一種換気は機械換気システムで、屋内の空気を外部に排出し、外気を取り入れます。第一種換気には熱交換機能があり、排気熱を利用して取り入れた外気を加熱・冷却することができます。これにより、エネルギー効率が高くなります。

最近の電気代の高騰により、熱交換機能を持つ第一種換気の導入メリットがより増えました。電気代と将来の交換やメンテナンス費用を考慮して選ぶことが重要です。

第三種換気

第三種換気は、自然吸気と機械排気を合わせた換気方法です。シンプルな仕組みゆえ電気代やメンテナンスのランニングコストは低いものの、外気をそのまま取り込むため熱交換できず、冷暖房効率は第一種換気に劣ります。

ダクト式とダクトレス式

ダクト式は、ダクトを使って空気を循環させる方式です。一方、ダクトレス式は、ダクトを使わずに空気を循環させます。どちらの方式も第一種換気、第三種換気で使用されます。選択に際しては、住宅の構造や設置条件などを考慮することが重要です。

換気システムの選び方

換気システムを選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。

  1. 住宅の気密性能:家の気密性能に合った換気システムを選ぶことが重要です。
  2. エネルギー効率:エネルギー効率の高い換気システムを選ぶことで、省エネルギー化に貢献できます。
  3. ランニングコスト:電気代やメンテナンス費用などのランニングコストを考慮して、総合的なコストパフォーマンスを検討しましょう。
  4. 住宅の構造と設置条件:ダクト式とダクトレス式の選択に際しては、住宅の構造や設置条件を考慮して適切な方式を選びましょう。

最後に、換気システムを選ぶ際には、家の気密性能が重要であることを忘れないようにしましょう。適切な気密性能を持つ家であれば、換気システムが効果的に機能し、快適な室内環境を実現することができます。工務店や専門家と相談して、自分の家に合った換気システムを選びましょう。

参考: https://www.njkk.co.jp/blog/?itemid=82&dispmid=764

高気密高断熱住宅の湿度管理について

高気密高断熱住宅の湿度管理

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高気密高断熱住宅は、エネルギー消費を抑え、快適な室内環境を実現する家です。しかし、その特性上、湿度管理に注意が必要です。本記事では、高気密高断熱住宅の湿度管理に関するポイントを解説します。

冬場の乾燥と湿度

冬場に高気密高断熱住宅が乾燥しやすくなる理由を理解するために、相対湿度と絶対湿度の概念を説明します。絶対湿度は、空気中の水分の量を示し、相対湿度は、空気が保持できる最大水分量に対する現在の水分量の割合を示します。

冬場は、外気の温度が低くなるため、空気が保持できる水分量が減少します。その結果、絶対湿度が低くなります。高気密高断熱住宅では、室内の温度が保たれやすいため、絶対湿度が低い外気が取り込まれると、相対湿度がさらに低下し、乾燥が進むことになります。

換気システムと湿度管理

第三種換気では室内の空気を排出し、外気をそのまま取り込むため、エアコンが加わることで過乾燥になりやすくなります。第一種換気で熱交換する場合は、全熱交換式のものを選ぶと室内の湿気を室外に排出せずに熱交換を行うため、乾燥が和らぎます。ただし、それでも加湿は必要になります。

加湿器や除湿機能付きエアコンの活用

高気密高断熱住宅では、加湿器を利用して湿度をコントロールすることが有効です。また、除湿機能付きエアコンを利用することで、適切な湿度を維持することができます。

湿度管理に役立つ生活習慣

高気密高断熱住宅での湿度管理に役立つ生活習慣の一例として、洗濯物の室内干しを活用することが挙げられます。

洗濯物から出る湿気を活用するだけでも、乾燥対策になります。また、風呂上りの湿気や調理中の湿気も室内の湿度を上げる効果があります。これらの生活習慣を意識することで、湿度管理がより効果的に行われます。

まとめ

高気密高断熱住宅は省エネルギーと快適な室内環境を両立させる家ですが、湿度管理には注意が必要です。冬場の乾燥に対処するためには、適切な換気システムの選択や加湿器の利用、湿度に配慮した生活習慣が重要です。これらをうまく取り入れることで、高気密高断熱住宅でも快適な生活を送ることができます。